2015年株主総会へ事前質問

91関西電力定時株主総会 事前質問

 

 

1 顧問について

1)顧問を7人から3人に減らし、当面報酬を見合わせるとの発表があったが、顧問専用の秘書、部屋、車はどうなったのか。そのまま使用しているのか。「当面」とはいつまでを考えているのか?

2)顧問という肩書きを残しているからには、報酬はなくても待遇は変わっていないと考えていいのか。

3)今の関電の危機的経営状況を考慮して、顧問を辞任しようとしないOBには経営の能力はないと思うがどうか。

 

2 北陸電力志賀原発について

1)北陸電力志賀原発2号について、1996年3月にこの原発北陸電力中部電力と当社の3社で共同開発する契約を結んだとのことだが、このような契約を結んだ理由はなにか。株主に納得のいく説明を求める。

3)運転開始前の契約では、最大60万kWを当社、中部電力で5:4の比率で受電するという契約だった。しかし過去に「当初の5年間は90万kWを中電と関電に供給する」と北陸電力は回答していた。融通はいつまでが90万kWで、いつから60万kWになったのか。供給量が変更された理由はなにか。

2)1996年の段階で3社共同開発の原発であることを発表しなかったのはなぜか。

志賀原発について共同開発ということは、建設費を負担したのか。負担したとするなら、いくら負担したのか。あるいは前払い費用として事前に支払ったお金があったのか。前払い費用だとしたら最大いくら前払いしたか。

3)2007年、本店広報に志賀原発の電気の購入契約について質問したが、契約については回答できないとの素っ気ない返事をもらった。契約の細かい数字などはともかく、志賀原発は3社の共同開発であり、生涯にわたって電力供給をうけ、トラブルなどで停止していても年間の維持管理費を支払うことになっていることは回答するべきだったのではないのか。ずっと消費者や株主にこの事実を明らかにしてこなかったのは許されないことだと思うがどうか。

4)志賀原発敦賀原発も直下に活断層を指摘されているが、このことに関する当社の見解はどうか。敦賀原発志賀原発もどちらも活断層問題を抱えて、再稼働を見込めていない。敦賀1号が廃炉を決定して、84億円購入電力料が減少するとのことだが、他の原発もすべて廃炉にするべきだ。当社との共同開発であるならなおさら、廃炉の決定を速やかに提案するべきだと思うがどうか。

 

3 日本原電について

  1)北陸電力に対してと同じように日本原電に受電なき対価を支払っている。昨年の株主総会でも指摘したが契約の見なおしをしないのは会社と株主、そして消費者に対する重大な損害を与えている行為である。直ちに契約を見直すべきである。

2)日本原電は敦賀原子力発電所、東海原子力発電所に運転再開の展望がない。いかなる将来像を考えているのか。出資した9電力で話し合いはおこなわれているのか。それを示さなければ日本原電を解散することが妥当だと考えるがどうか。

 

 

3 突然増えたプルトニウムについて

1)関電所有の海外再処理のプルトニウム量が突然増えたのはなぜか、何年何月の段階で何t増えたのか。

2)6月8日の朝日新聞の記事によると今後も増えるということだが、いつ、何t増えるのか。

3)5月のランチタイムの女たちの質問への回答では、再処理実績について2013年度イギリスの再処理工場の処分が1tと回答している。イギリスの再処理工場ではもう日本の使用済核燃料処理は終わっているはず。いまさら再処理がすすんだとはどういうことなのか、再処理費用を新たに支払ったのか。支払ったとしたらいくらか。

今後増えるといわれている分についても、追加の再処理費用を支払うのか。

4)前出の朝日の記事によれば、イギリスからプルトニウムをイギリスで処理しましょうかというオファーが日本にきているというが本当か。記事によれば=日本が英国に渡すとすれば「処分代」をつけて渡すということだ。そのときプルトニウムは「価値のある燃料資源」ではなく、はっきりと「処分費がかかるごみ」になる=とある。日本の核燃料サイクル政策との整合性をとるためにこのオファーに応じるのを躊躇しているというのは本当か。

 

4 高浜原子力発電所1、2号機(福井県)と美浜原発3号機について

1)運転開始から40年を超えて原発を運転しようとしているが、高浜1,2号、美浜3号機に改修工事など投下する金額はいくらか、プラントごとに金額を説明せよ。そして、投下する資金は高浜1,2号、美浜3号では何年で回収する見込みなのか。計算した年数を示せ。

2)3基の老朽原発の運転が許可されない場合、投下した資金が回収されなくなる。重大な経営責任となると思うがどうか?

 

5 美浜原発3号機の新規制基準の審査について

1)運転開始40年の延長の審査の期限に間に合わせようと、田中規制委員長自らが議題にもないのに、活断層の審議を打ち切って審査に入るよう促した。その結果、有識者会議の報告書も出ていないのに、他の専門家へのピアレヴューもないまま、新規制基準の審議に入ってしまった。当社はどんな圧力を規制委員会にかけているのか。

2)その一方で、当社は地震の深さについて、美浜だけを4kmより深いとして、大飯、高浜で用いた3kmという深さでの計算を拒否していると報道された。なぜか。

6月5日の審査会では、規制庁の職員が美浜3号の今後の審議の遅れを心配し「早くしないと時間が間に合わない」と発言した。一方で当社の社員は「美浜は地下構造が違う」と4kmでの再計算を頑に拒否した。まったく立場が反対になっているようで、見ている私たちはただ驚くしかない。40年という老朽原発だからこそ、より長い時間をかけてじっくり審議をするべきであり、締め切りが決まっているかのような審査の進め方はまったくおかしい。このような審議で「国から安全というお墨付きをもらった」と胸を張られても住民は納得できない。当社の取締役はどう考えているか。

 

 6 中間貯蔵施設について

  1)「関電の場合、210自治に延べ1900回も訪問説明をしているが、なかなか理解を得られない」と新聞報道がある。進捗状況を説明せよ。

2)「個社対応が原則だが、共通の問題を持つ会社との連携は必要だ」と発言した意味は関電エリア以外を考えていると捉えていいのか。

3)長期休止中の宮津エネルギー研究所の火力発電所について将来どうするつもりなのか?

 

7 料金値上げ・自由化に対する対応について

1)収支改善のために資産の売却は不可欠であると考えるが八木社長は否定的だ。そして、自社努力をせず消費者に値上げを強いた。消費者、株主として納得できない。今まで発電所建設のために買収してきた各地に散在する未利用地を売却すべきだと考えるがどうか。

2)福島原発事故以降、原発に対する国民の感情は否定的なものになっている。電力自由化に対して、原発を運転している関西電力から離脱する消費者が予想されるが、経営者として危機感はないのか。また、顧客引き留め・獲得についてどのような対策を考えているか具体的に答えよ。

3)高浜原発3・4号の基準値振動を計算上ではあげているが、実際の耐震対策について余裕があるとして対策を講じていない。こういう姿勢こそ消費者マインドとはかけ離れたものである。また、運転40年を超える原発を動かそうとしてることも同じく消費者マインドとは離れたものだ。「お客様に理解をしてもらう」という「上から目線」ではますます消費者離脱が起こると思うがどうか。

4)2014年度電力総販売量は1344億9000kWhであった。2010年度と比べると11%減少したことになる。小規模や大口需要家にはすでに電力自由化が始まっており、髙い当社の電力から安い新電力へ切り替えている企業が多いということだ。当社は販売量減少を冷夏や節電が徹底したと分析するが、そんな悠長なことで経営者がつとまるのか。2015年度も顧客流出が予想される。対策を示されよ。

 

原発事故避難について

1)   UPZ圏内にある当社社宅に、避難指示が出されたとき、社員家族用にバスは用意されているか。

2)   UPZ圏内の住民避難用に当社はバスを用意しているか。もし用意しているなら、それは何台か。通常どこに待機しているのか、あるいは日常何に使用しているものを回すのか。

 

高浜34号機 仮処分裁判について

1)4月14日 福井地裁で高浜3.4号機仮処分の決定がなされた。決定は原発を稼働するにはあまりにも不備な設備対策であることを指摘した当然のものだ。当社が最高水準の安全を目指すというのなら、仮処分決定が指摘したことをクリアーするまで再稼働するべきではないと思うが、どうか。

 

 

以上