2019年関電株主総会 株主提案議案

2019年 第95回 関西電力株主総会 提案議案
第 号議案 剰余金処分の件
▼提案の内容
当期末における剰余金の配当について、会社側提案より1株あたり5円多
くする。
▼提案の理由
当社はHP に「原発は家計の味方」と書いている。昨年の株主総会で間違
いを指摘したが、そのまま放置している。1月18日の日本経済新聞によれ
ば、2010年、太陽光発電の発電単価は25だったが、2018年には5
で5分の1に下がっている。一方原発のコストは10から15、1.5倍に
増えている。(単位は米セント/ kWh、米投資銀行の資料より、廃炉、廃棄
物処分の費用は含まれない)
経産省による太陽光発電の買い取り価格は2012年には1kWh 当たり
40円だったが、2018年は18円、2025年には7円まで下げること
を目標にしている。原発のコストは値上がりし、太陽光発電のコストは急速
に値下がりしている。
HP に自分たちにとって都合のいい、間違った情報を載せるのは、イメー
ジダウンでしかない。無駄で間違った広告をやめて、株主の配当に回すこと
を提案する。
第 号議案 取締役解任の件
▼提案の内容
以下の取締役を解任する。
取締役 岩根 茂樹
▼提案の理由
東日本大震災による福島原発の大事故が延々と継続し、更なる被害と汚
染が拡大する中、高浜原発大飯原発の再稼働を強行し、我が国を亡国に
導こうとしていること。

2 7年に渡って株主総会で当社の管内トップ3市、大阪市京都市、神戸
市から出された「再稼働反対」、「脱原発」への株主提案や意見をことご
とく無視し続けていること。
3 「お客さまと社会のお役に立ち続ける」ことを掲げながら「脱原発」を
求める電気消費者の圧倒的な声に耳を傾けないこと。
4 不必要な『中間貯蔵施設』の建設について、再稼働の条件であった福井
県との約束を反故にし、原発を動かし続け、関係自治体の不信と混乱を更
に増幅させていること。
5 原発依存によって経営悪化を招き、株価を低下させ、株主に多大な損害
を与え続けていること。
6 経営環境の悪化を従業員・下請労働者の労働強化でしのぎながら、一方
で不必要な役員・顧問を多数抱え、不当に高い報酬を支払っていること。
第 号議案 定款一部変更の件(1)
▼提案の内容
「第4章 取締役及び取締役会」に以下の条文を追加する。
(取締役の報酬の開示)
第 条 取締役の報酬及び業績を個別開示する。
▼提案の理由
当社は2006 年、役員の退任慰労金制度を廃止した。しかし昨年の株主
総会で退任時に当社株式の交付を行う株式報酬制度導入を決定した。当社の
役員報酬は基本報酬と業績報酬で構成されるが、役員の業績が具体的に示さ
れることはない。
現在行われている法務省法制審議会会社法制部会において、「役員が賠償
を迫られた時のために、会社が保険料を拠出することができる」という要綱
案が発表されている。水俣病、森永ヒ素ミルク事件、薬害エイズ、福島第一
原発事故など会社の過失により市民が犠牲になった事件は後を絶たず、役員
が責任を問われることは希である。この上、保険料まで会社が負担するのは
許されない。原発推進の企業として責任の所在が希薄になることが危惧され
る。株主が取締役に対して会社への賠償を求めて訴訟を行い勝訴しても会社

がその保険料を支払えば訴訟の意味がない。
取締役としての社会的責任を明確にするため役員報酬の個別開示を求め
る。
第 号議案 定款一部変更の件(2)
▼提案の内容
当社の定款に以下の章を新設する。
第 章 廃棄物の処理、管理
第 条 当社は安全に処理、処分、管理できない廃棄物を排出しない。
▼提案の理由
一昨年当社は福井県の要請に応え、使用済核燃料の県外貯蔵計画地を昨年
中に公表すると約束し、それと引き換えに県は大飯3・4 号の再稼働に同意
した。だが当社はその約束を果たせず県知事に陳謝し、計画地点公表を
2020 年まで先延ばしした。核燃料サイクルは破綻しており、使用済核燃料
の中間貯蔵を受け入れれば、永久の核のゴミ捨て場になるのは明らかで、引
き受ける自治体はどこにもない。当社の既存原発の敷地内乾式貯蔵構想は長
年に亘って築いてきた「県外立地」を主張する福井県との信頼関係を踏みに
じるばかりか危険性も増すばかりであり、原発稼働の延命策でしかない。決
定的な処分方法も処分地も不明なままに使用済核燃料を増やす原発は一刻
も早く止めるべきである。また無駄な広告は止めて、原発は電気を生み出さ
なくなってからも莫大なコストが必要であることを消費者に説明し、原発
不経済性を周知するべきである。
第 号議案 定款一部変更の件(3)
▼提案の内容
当社の定款に以下の章を新設する。
第 章 出資、債務保証の制限
第 条 当社は、日本原子力発電株式会社に対して、出資および債務保証
をしない。
▼提案の理由

2012年以降、当社は日本原電からの電力供給をまったく受けていない
が、昨年までに約1530億円もの電気料金を支払った。日本原電保有の敦
原発2号機は直下に活断層があると指摘され、再稼働は見通せない。
東海第二原発は運転開始から40年を超えており、報道では安全対策費
は約3000億円にものぼる。その東海第二のために東電をはじめ電力各
社が出資、債務保証をし、当社も新たに200億円をこえる債務保証をす
るとの報道があった。東海第二の再稼働に必要な周辺自治体や住民の同意
が得られることは困難で、訴訟リスクもあり、出資や債務保証は当社に重
大な損失を与える。
当社は原発再稼働のための日本原電への出資や債務保証をしてはなら
ない。同時に、日本原電との契約を見直し、年間約200億円以上にもの
ぼる受電なき支払いをやめるべきである。そして、日本原電の業務態様を
廃炉事業へ転換すべく株主である電力各社と協議に入るべきである。
第 号議案 定款一部変更の件(4)
▼提案の内容
当社の定款に以下の章を新設する。
第 章 再処理の禁止
第 条 当社は再処理をせず、プルトニウムを利用しない。
▼提案の理由
日本の高速増殖炉もんじゅ廃炉が決定し、仏国のアストリッド高速炉は
2019年で予算打ち切りと報道された。英国は2018年にソープ再処理
工場を閉鎖し、米国は2018年にMOX 燃料の利用を中止した。
日本は47t のプルトニウムを所有、これは原爆5千発分に相当する。そ
れでも核燃料サイクル計画を放棄しない日本は、国際社会から「核武装を考
えているのではないか」と疑惑の目でみられている。このため政府は昨年7
月のエネルギー基本計画に「プルトニウムの削減に取り組む」と明記した。
全国各地の原発MOX 燃料を燃やし、プルトニウムを消費する計画だが、
MOX 燃料はコストも高く、危険で、使用済核燃料の行き場もない。

プルトニウムを削減するには再処理を止めるしかない。六ヶ所再処理工場
にはすでに数兆円がつぎ込まれたが、放射性廃棄物を再処理せず、直接処分
する方がコストも安く危険性もはるかに少ない。再処理の禁止を提案する。
第 号議案 定款一部変更の件(5)
▼提案の内容
当社の定款に以下の章を新設する。
第 章 脱原子力
第 条 当社は原子力発電を稼働しない。
▼提案の理由
福島原発事故後の電力業界は、3 つの変革(電力自由化福島原発事故
理、再生エネルギー展開)の中で、経営主体性を次第に失っている。電力自
由化とは、他の地域の顧客を奪い合うことではないはずだ。電力会社は電気
の製造会社であり、製造業の主役は「現場」であるにも関わらず、新しい変
革の制度設計は、現場を知らない官僚、外部識者により、バラバラに議論さ
れており、制度の矛盾が発生している。当社は官僚らの言いなりにならず、
総合的な視点で創造力溢れた指導力を発揮すべきである。原発の取扱いにつ
いても、エネルギー基本計画、原発再稼働・運営・廃棄物処理がバラバラに
無責任に議論されている。経営判断として原発は明らかに合理性に欠けてい
る。最多の原発を抱える当社は、電力会社の中でリーダーシップを取るべき
である。勇気を持って脱原発を提案してほしい。電力会社に対する国民の信
頼性を回復する鍵は、当社の勇気ある判断にかかっている。
第 号議案 定款一部変更の件(6)
▼提案の内容
当社の定款に以下の章を新設する。
第 章 原子力発電所老朽化対策検討委員会
第 条 当社は原子力発電所の老朽化対策の検討委員会を設置し、稼働4
0年を超える原発は運転しない。
▼提案の理由

当社は美浜3号、高浜1号、2号の再稼働を計画しているが、この3基に
ついては運転開始から40年以上経過しており、再稼働させるべきではない。
これらの原発は半世紀近くも前の設計技術を基礎としており、安全対策でも
最新の技術より劣っている。また、40年に亘って放射線を浴び続けている
圧力容器やその他の機器は劣化している。加えて新規制基準では機器をつな
ぐケーブルは、難燃性でなければいけないとされているが、防火シートで覆
うことで良しとしている箇所がある。もし災害時に防火シートが破損すれば、
ケーブルに引火して延焼する。更に、この3基が稼働すると、電力供給が過
剰になり、原子力による発電が優先され、再生可能エネルギーによる発電へ
の出力抑制が行われる恐れがある。運転開始40年を超える原発廃炉にし、
老朽原発の安全対策のための資金は、再生可能エネルギーの促進のために振
り替えるべきである。


株主提案の権利を制限しないで

意見を出せます!4月13日締め切り!

株主提案の権利を制限しないで!!ただ今パブコメ募集中 

株主提案とは

 
私たちは脱原発を「株主提案」し続け、今年で28回目になります。共同提案にご協力いただき、ありがとうございます。株主提案することで、すべての株主に「脱原発」の提案と提案理由が載った株主総会開催通知が郵送され、総会当日には、「脱原発」の提案の趣旨を説明することができます。福島原発事故の後は、筆頭株主大阪市京都市なども脱原発の株主提案をして、総会の会場では脱原発を求める意見が次々と表明されます。しかし、大株主の金融機関数社が反対するため、残念ながら否決されてしまいます。

株主提案を制限する動きが

 

そんな中、株主提案を制限しようとする動きが出てきました。昨年4月から法務省会社法制審議会で、株主提案権の濫用を防ぐために株主提案の数と内容を制限する方向で議論が進められてきました。どこかの株主が100以上の議案を提案したり、取締役の名前をクリスタル役とするといった意味不明の提案をしたりという事例が現実にありました。しかしほんのわずかな株主の非常識な行動のために、すべての株主の大切な権利である株主提案権が制限されるのは納得できません。そもそもこの審議会の目的は「企業と株主の対話の促進」なのです。なぜ株主提案を制限することが「対話の促進」につながるのか、理解できません。そして今回、株主提案の数を制限するという会社法制(企業統治等関係)の見直しに関する中間試案」(以下、中間試案)が発表され、パブリックコメントパブコメ)の募集が始まりました。4月13日まで意見を出すことができます。複数の案が提示されているので、あなたの意見次第で結論が変わります。ぜひ意見を出してください。


パブコメのタネ 

 (中間試案http://www.moj.go.jp/content/001252001.pdfの該当部分をぜひ参照してください)

1)    株主提案の数を制限しないで。(該当部分:第1部、第2、1)

2)    300単位以上という株主提案の要件を厳しくしないで。

  (該当部分:第1部 第2、2、後注)

3)    「賛同率10%以下の提案は3年間同じ内容のものを提案できない」という現行の制限をなくして。(該当部分:第1部 第2、2)

4)    取締役報酬は個別に開示して。(該当部分:第2部 第1、1、(5))

5)    インターネットによる情報提供について、ネット環境が整っていない人たちが絶対に不利益を被らない仕組みの整備を優先して。

 (該当部分:第1部 第1、4、(2)、②)

6)    取締役の損害の補償を会社がするのはおかしい。株主代表訴訟で取締役の責任を追求して、会社の損失を賠償させることの意味がなくなる。

 (該当部分:第2部、第1、2)

パブコメのタネのもうちょっと詳しい話

 

1)中間試案では、株主提案の提案数は5までと10までの2案が併記され、それぞれ取締役の選任・解任の提案をその数に加えるのかどうかも選択肢にあり、最終的には4つの案が提示されています。わたしたちは株主提案の権利を制限することそのものに反対していますが、あえてこの4案の中で選ぶなら、議案の数は10まで、取締役選任・解任の提案は別とするB-2案が最善の案だと思います。

 2)株主提案の要件については、現行の「300単位以上または発行済み株数の1%以上のいずれか少ないほう」という条件について、中間試案では「なお検討する」とあります。もし300単位以上という条件がもっと厳しくなれば、法人あるいは自治体などの大株主でなければ株主提案ができなくなり、多くの一般株主による共同提案が不可能になってしまいます。この要件の見直しに反対します。

パブコメの応募方法


以下の方法で、4月13日まで意見を提出することができます。
*インターネットで提出する人は 電子政府の総合窓口 e-Govから    http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=300080164&Mode=0

会社法制(企業統治等関係)の見直しに関する中間試案」に関する意見募集

*意見募集期間は 228() から 413() まで、最終日必着

*電子メール、郵送またはFAXでも提出できます。(電話は不可)

*宛先は 法務省民事局参事官室

・ 郵送:〒100-8977東京都千代田区霞が関一丁目11

  FAX03-3592-7039  電子メール:minji205@i.moj.go.jp

*住所(市区町村まで)、氏名、年齢、性別、職業を記入の上(差し支えがあれば一部の記載を省略してもOK)どの項目に対する意見か(例えば「第122)について」など) を必ず明示。

*長文の意見を提出する際には、意見の本文とともに,その要旨を各項目の冒頭等に付記。

問い合わせは 法務省民事局参事官室 TEL03-3580-4111(内線5894

 

「株主提案の権利を制限しないで」のひと言でもいいので送ってください!

脱原発へ!関電株主行動の会https://blogs.yahoo.co.jp/datu_genpatu_kanden

株主提案の権利を制限しないで

株主提案の権利を制限しないで!

パブコメを書こう!
!締め切りは4月13日
株主提案とは
 
現在、全国の原発を持っている電力会社9社の株主総会で、脱原発を「株主提案」しています。すべての株主に「脱原発」の提案理由が載った株主総会開催通知が郵送されます。総会当日には、「脱原発」の提案の趣旨を説明することができます。大量の株を保有している大手の金融機関数社が反対するので、残念ながら提案は否決されます。けれど、毎年多くの個人株主が賛同し、また共同提案者になってくれています。特に福島原発事故の後は、会場でも脱原発の意見表明が相次ぎ、賛同株数も増えました。

株主提案を制限する動きが
 
そんな中、株主提案を制限しようとする動きがでてきました。昨年4月から法務省会社法制審議会で、株主提案権の濫用を防ぐために株主提案の数と内容を制限する方向で議論が進められてきました。どこかの株主が100以上の議案を提案したり、取締役の名前をクリスタル役とするといった意味不明の提案をしたりという事例が現実にあったようです。しかしほんのわずかな株主の非常識な行動のために、すべての株主の大切な権利である株主提案権が制限されるのは納得できません。そもそもこの審議会の目的は「企業と株主の対話の促進」なのです。なぜ株主提案を制限することが「対話の促進」につながるのか、理解できません。そして今回株主提案の数を制限するという会社法制(企業統治等関係)の見直しに関する中間試案」(以下中間試案)が発表され、パブリックコメントパブコメ)の募集が始まりました。4月13日まで意見を出すことができます。複数の案が提示されているので、あなたの意見次第で結論が変わります。ぜひ意見を出してください。
パブコメのたね
1)    株主提案の数を制限しないで。(該当部分:第1部、第2、1)
2)    300単位以上という株主提案の要件を厳しくしないで。
  (該当部分:第1部 第2、2、後注)
3)    「賛同率10%以下の提案は3年間同じ内容のものを提案できない」という現行の制限をなくして。(該当部分:第1部 第2、2)
4)    取締役報酬は個別に開示して。(該当部分:第2部 第1、1、(5))
5)    インターネットによる情報提供について、ネット環境が整っていない人たちが絶対に不利益を被らない仕組みの整備を優先して。
   (該当部分:第1部 第1、4、(2)、②)
6)    取締役の損害の補償を会社がすることについて、「善意でかつ重大な過失がないとき」という評価をだれがどこで判断するのか、客観的、かつ公平な判断ができる仕組みの整備を優先して。(該当部分:第2部、第1、2)
 
パブコメのたねのもうちょっと詳しい話
 
1)中間試案では、株主提案の提案数は5までと10までの2案が併記され、それぞれ取締役の選任、解任の提案をその数に加えるのかどうかも選択肢にあり、最終的には4つの案が提示されています。わたしたちは株主提案の権利を制限することそのものに反対しています。あえて、この4案の中で選ぶなら、議案の数は10まで、取締役選任、解任の提案は別とするB-2案が最善の案だと思います。
 2)株主提案の要件については、現行の「300単位以上または発行済み株数の1%以上のいずれか少ないほう」という条件について、中間試案では「なお検討する」とあります。もし300単位以上という条件がなくなる、あるいはもっと厳しくなれば、法人あるいは自治体などの大株主でなければ株主提案ができなくなり、多くの一般株主による共同提案が不可能になってしまいます。この要件の見直しに反対します。


パブコメの応募方法

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*インターネットで提出する人は 電子政府の総合窓口 e-Govから    http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=300080164&Mode=0
会社法制(企業統治等関係)の見直しに関する中間試案」に関する意見募集
*意見募集期間は 228() から 413() まで、最終日必着
*電子メール,郵送又はFAXでも提出できます。(電話は不可)
*宛先は 法務省民事局参事官室
・ 郵送:100-8977 東京都千代田区霞が関一丁目11
  FAX:03-3592-7039  電子メール:minji205@i.moj.go.jp
*住所(市区町村まで)、氏名、年齢、性別、職業を記入の上(差し支えがあれば,一部の記載を省略してもOK)どの項目に対する意見か(例えば「第1,2(2)について」など)を必ず明示。
*長文の意見を提出するには,意見の本文とともに,その要旨を各項目の冒頭等に付記。
問い合わせは 法務省民事局参事官室TEL:03-3580-4111 (内線5894)
 
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株主提案の権利を制限しないで

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株主提案とは

 
現在、全国の原発を持っている電力会社9社の株主総会で、脱原発を「株主提案」しています。すべての株主に「脱原発」の提案理由が載った株主総会開催通知が郵送されます。総会当日には、「脱原発」の提案の趣旨を説明することができます。大量の株を保有している大手の金融機関数社が反対するので、残念ながら提案は否決されます。けれど、毎年多くの個人株主が賛同し、また共同提案者になってくれています。特に福島原発事故の後は、会場でも脱原発の意見表明が相次ぎ、賛同株数も増えました。

株主提案を制限する動きが

 

そんな中、株主提案を制限しようとする動きがでてきました。昨年4月から法務省会社法制審議会で、株主提案権の濫用を防ぐために株主提案の数と内容を制限する方向で議論が進められてきました。どこかの株主が100以上の議案を提案したり、取締役の名前をクリスタル役とするといった意味不明の提案をしたりという事例が現実にあったようです。しかしほんのわずかな株主の非常識な行動のために、すべての株主の大切な権利である株主提案権が制限されるのは納得できません。そもそもこの審議会の目的は「企業と株主の対話の促進」なのです。なぜ株主提案を制限することが「対話の促進」につながるのか、理解できません。そして今回株主提案の数を制限するという会社法制(企業統治等関係)の見直しに関する中間試案」(以下中間試案)が発表され、パブリックコメントパブコメ)の募集が始まりました。4月13日まで意見を出すことができます。複数の案が提示されているので、あなたの意見次第で結論が変わります。ぜひ意見を出してください。

パブコメのたね

1)    株主提案の数を制限しないで。(該当部分:第1部、第2、1)

2)    300単位以上という株主提案の要件を厳しくしないで。

  (該当部分:第1部 第2、2、後注)

3)    「賛同率10%以下の提案は3年間同じ内容のものを提案できない」という現行の制限をなくして。(該当部分:第1部 第2、2)

4)    取締役報酬は個別に開示して。(該当部分:第2部 第1、1、(5))

5)    インターネットによる情報提供について、ネット環境が整っていない人たちが絶対に不利益を被らない仕組みの整備を優先して。

   (該当部分:第1部 第1、4、(2)、②)

6)    取締役の損害の補償を会社がすることについて、「善意でかつ重大な過失がないとき」という評価をだれがどこで判断するのか、客観的、かつ公平な判断ができる仕組みの整備を優先して。(該当部分:第2部、第1、2)

 

パブコメのたねのもうちょっと詳しい話

 

1)中間試案では、株主提案の提案数は5までと10までの2案が併記され、それぞれ取締役の選任、解任の提案をその数に加えるのかどうかも選択肢にあり、最終的には4つの案が提示されています。わたしたちは株主提案の権利を制限することそのものに反対しています。あえて、この4案の中で選ぶなら、議案の数は10まで、取締役選任、解任の提案は別とするB-2案が最善の案だと思います。

 2)株主提案の要件については、現行の「300単位以上または発行済み株数の1%以上のいずれか少ないほう」という条件について、中間試案では「なお検討する」とあります。もし300単位以上という条件がなくなる、あるいはもっと厳しくなれば、法人あるいは自治体などの大株主でなければ株主提案ができなくなり、多くの一般株主による共同提案が不可能になってしまいます。この要件の見直しに反対します。


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以下の方法で、4月13日まで意見を提出することができます。
*インターネットで提出する人は 電子政府の総合窓口 e-Govから    http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=300080164&Mode=0

会社法制(企業統治等関係)の見直しに関する中間試案」に関する意見募集

*意見募集期間は 228() から 413() まで、最終日必着

*電子メール,郵送又はFAXでも提出できます。(電話は不可)

*宛先は 法務省民事局参事官室

・ 郵送:100-8977 東京都千代田区霞が関一丁目11

  FAX:03-3592-7039  電子メール:minji205@i.moj.go.jp

*住所(市区町村まで)、氏名、年齢、性別、職業を記入の上(差し支えがあれば,一部の記載を省略してもOK)どの項目に対する意見か(例えば「第1,2(2)について」など)を必ず明示。

*長文の意見を提出するには,意見の本文とともに,その要旨を各項目の冒頭等に付記。

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法制審議会会社法制(企業統治等関係)部会への要望書

現在進められている「株主提案権の制限」についての審議会に下記のように要望書を提出しました。

提出日2017年9月25日

法制審議会会社法(企業統治等関係)部会 部会長様

委員の皆様

幹事の皆様

 

脱原発をめざす北電株主の会、脱原発東北電力株主の会

脱原発・東電株主運動、脱原発!中電株主といっしょにやろう会

北陸電力と共に脱原発をすすめる株主の会、脱原発へ!関電株主行動の会

脱原発へ!中電株主行動の会、未来を考える脱原発四電株主会、九電消費者株主の会 

 

要望書

【要望の項目】

1)   “株主提案権を行使する権利”を制限しないでください

2)   議決権行使書の閲覧を制限しないでください

3)   議事録は速やかに公開してください

 

【要望の理由】

 株主提案権の制限について、第2回の審議会において提出議案数を10個に制限するという案について議論が行われたことを、会議の約3ヶ月後に公開された議事録で確認しました。まだ議論は半ばで、第3回の審議会で続きが議論されたようですが、この議事録がでるのを待っている間に、とりまとめが行われることが懸念されますので、改めて要望いたします。

 電力会社の総会における株主提案では、議案内容について会社の株式課と「株主の会」事務局の間で事前に調整を行っており、そもそも議案として認められる内容かどうか審査され、場合によっては字句や表現を修正のうえ、最終的に確定した議案を会社に提出しています。議案数に関しても、会社側と株主の間で事前の交渉において調整することは可能ですし、すでに実際に行なわれていることです。

 当審議会においても「ごく一部というか少数の例をもってして株主提案権の行使という重要な権利について数を制限しなければいけないのかどうかという点については,慎重に検討する必要があるのではないか」という指摘がされているところですが、まさにこの指摘の通り、ごく少数の株主の常識はずれの行動を口実にして、すべての株主に対して一律に提出議案数を制限するのは疑問があります。また議案内容と議案数は不可分なものなので、一律に数を制限するのは合理的根拠がないのではないでしょうか。

 また、議事録を拝見するところ、実態とは異なる発言をされている委員がいらっしゃるようです。このような事実誤認に基づく審議により結論が出されては困りますので、以下に二点を指摘させていただきます。

 ひとつは、第2回審議会での株主提案の趣旨説明および審議の時間に関する古本委員の発言です。

「仮に10個の提案がなされたといたしまして,1議案当たり趣旨説明が5分,会社の反対意見表明,質疑で10分といたしますと,全部で150分掛かるということになります」と発言されています。けれど電力会社9社の状況は、1議案あたり趣旨説明は3分に制限、または議案数によらず趣旨説明の時間に上限を設けている例もあります。会社側の反対意見表明は書面のみ、質疑はすべての議案一括で行われ、株主の審議内容への理解を妨げており、十分な審議時間の確保を会社側に求めているのが現状です。

 もうひとつは、第1回の審議会での議決権行使書の閲覧の制限に関する古本委員の発言です。「議決権行使書面についてですけれども(中略)経団連の会員企業から伺っている一番切実な声といたしましては,住所を見たいといってくるのではなくて,要するに会社を困らせてやろうという趣旨から閲覧権が行使されている現実があるという訴えがなされております(中略)。ハラスメントに近いことが行われている」とあります。4月24日に提出した要望書(添付の別紙)にも書きましたが、私たちは、株主提案をすることで、真に対話のできる株主総会を目指しています。決して会社を困らせようとして行っているものではありません。閲覧の日時や所要時間については、担当課と事前に相談して調整したうえで閲覧しており、対応される担当課の職員の皆さんも正当な株主権の行使として認識されています。

 私たちの団体は多くの株主と共同で株主提案をしています。そのために毎年、議決権行使書の閲覧をしています。数百から千をこえる数の議決権行使書を閲覧し、住所を書き写し、共同提案しませんかという手紙を出しています。これは株主提案のために必要不可欠な重要な作業です。

 また議決権行使書から住所の記載を消去することについて、「負荷が重すぎて現実的ではない」という発言がありましたが、わたしたちが閲覧している議決権行使書では、住所の記載がない電力会社がすでに9社中4社あります。数年前から住所の記載がなくなり、株主名簿を管理している信託銀行証券代行部まで行って住所を書き写すようになりました。たとえば北海道電力の株主の場合は、東京まで足を運ぶ必要があったのです。現在は、本社のある自治体で住所の書き写しができるようになっていますが、それでも議決権行使書の閲覧と住所の閲覧の2度の作業が必要です。

 すでに議決権行使書の閲覧は制限されています。今後ネットでの行使が増えれば、もっと作業が煩雑になります。議決権行使書の閲覧ができなければ、一般の少数株主が共同で株主提案をすることはできなくなります。これ以上の閲覧の制限が行われることがないよう要望します。

 最後に、議事録は速やかに公開してください。

 第2回会議は5月24日に開催されましたが、記事録は3ヶ月後の8月24日前後にようやく公開されました。公開までにあまりに日数がかかっている上、議事要旨では議論の項目はわかっても、議論の中身まではわかりません。このままでは、半ば密室で審議がすすめられ、議論の中身が知られないまま、とりまとめになることが危惧されます。

 議事録の速やかな公開だけでなく、前回も要望したように、審議会の傍聴を認めることや、動画同時配信なども、ぜひ検討をお願いします。

第93期 関西電力株主総会 株主提案議案

2017年関電株主総会 株主提案議案(案)を発送しました。
よろしくお願いします。


第93期 関西電力株主総会 株主提案議案

 

第1号議案 剰余金処分の件

    提案の内容

当期末における剰余金の配当金について、会社側提案より1株当たり5円多くする。

 

 ▼ 提案の理由

 当社が支出している福島原発事故の賠償金は電気料金を原資としている。試算では当社の顧客は年に約1212円(1世帯あたり)負担している。加えて「過去分」として今後2.4兆円を40年間消費者が託送料金で負担することが決まり、合計で年に約1667円もの負担を強いられる。

 福島原発事故の処理は進まず、費用の試算は膨れ上がっていく一方で、電気事業連合会原発推進の広告を流し、テレビCMも行っている。

 当社のHPには子供向けの「原子力テスト!」が載っているが、内容が問題だ。原発は必要で、「安い」という回答が正解となっているが、明らかに間違いだ。ほんとに原発が「安い」なら、事故の賠償費用を託送料金で負担する必要はない。元当社副社長で電事連副会長の廣江氏も、原発が「安い」という「確信はない」と審議会で発言した。無駄で間違った広告費用や、電事連の会費を削減し、株主への配当を増やすことを提案する。

 

(根拠  新聞報道  朝日新聞 2017年 2月27日

審議会発言 廣江オブザーバー 「自分たちで必ずしも確信を持って計算したというわけではございません」

12月16日 第4回 総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 電力システム改革貫徹のための政策小委員会)

 

第2号議案  取締役解任の件

 

    提案の内容

以下の取締役を解任する。

             取締役  岩根 茂樹

 ▼ 提案の理由

1 東日本大震災による福島原発の大事故が深刻化し、更なる被害と汚染が拡大する中、裁判所の運転停止命令に控訴し、若狭湾原発の再稼動準備をすすめ、我が国を亡国に導こうとしていること。

2 5年に渡って株主総会筆頭株主大阪市を始めとする自治体や団体から「脱原発」への多くの株主提案がなされ、株主から多大な賛同があったにも拘わらず、まともな答弁もせず、全て無視して逆に「原発依存」を強化していること。

3 原発依存によって、赤字を招き、株価を低下させ、無配当で株主に多大な損害を与え続けていること。

4 経営環境の悪化を電気料金の値上げと従業員・下請け労働者の労働強化でしのぎ、月200時間を超える残業を強いた結果、従業員を自殺にまで追いこんだこと。一方で不必要な役員・顧問を多数抱え、不当に高い報酬を支払っていること。

5 不必要な『中間貯蔵施設』を目指し、周辺自治体に不安と混乱をもたらしていること。

 

第3号議案 定款一部変更の件(1)
▼提案の内容
 「第4章 取締役及び取締役会」に以下の条文を追加する。
(取締役の報酬)
31条の2 取締役の報酬を個別開示し、その算定基準を明示する。
▼提案の理由
 東芝債務超過に陥りそうになり、収益性の高い半導体事業の売却を進めているのは、原発産業に手を染めたことが原因である。米原子力会社ウエスチングハウス(WH)買収やその子会社の買収に資金をつぎ込み多大な損失を出した。WHの中国での建設中原発にも費用がかさんでいる。仏原子力企業アレバは5年連続赤字である。欧米の企業が原子力産業から手を引いていく中、当社は未だに原発固執している。当社を窮地に陥らせないためには「脱原発」への方向転換をすべきである。 
 当社の株主総会招集通知には,取締役候補者として「選任理由」が載っているが、実績も公開すべきである。原発比率が高い故に当社は福島第一原発事故以後、4期連続の赤字決算となり、2度も電気料金を値上げせざるを得なかった。この責任を誰もとっていない。取締役として責任の取れる行動を示すために、個別報酬の開示と、その算定基準を明白にすることを求める。

 

 

第4号議案 定款一部変更の件(2)

▼提案の内容

 当社の定款に以下の章を新設する

第○章 働き方改革推進委員会

第○条 当社は働き方改革をすすめ、過労による発病、自死を防ぐ。このため働き方改革推進委員会を設置する

▼提案の理由

 昨年4月に自死した当社の職員は、長時間労働による過労が原因として労災認定された。2月は残業時間が200時間を超え、亡くなった4月も中旬までで150時間を超えていた。管理監督者という立場のため、労基法の労働時間制限から外れていたとはいえ、殺人的な労働環境であったと考えられる。高浜原発12号機の40年を越える運転延長の認可を、7月7日までに規制委員会から受けるための申請書類作りに携わっていた。期限を過ぎると廃炉の可能性が高くなるため、社運をかけて働いていた。無理やり老朽原発の運転延長をするために、高度な専門知識をもった職員が、過酷な労働環境に置かれていたことが推察される。労基署から異例の呼び出しを受け指導されたように、当社は全社員の実際の労働時間を把握し、長時間労働に対して産業医による面談の確実な実施などを早急に行うこと。「働き方改革推進委員会」を設置し、労働環境を改善することを提案する。

 

第5号議案 定款一部変更の件(3)

▼提案の内容

 当社の定款に以下の章を新設する

第○章 再処理、そして核燃料サイクル計画の放棄

第○条 当社は再処理をせず、プルトニウムを抽出せず、またこれを利用しない。

▼提案の理由

 1兆円を超える国費を投入し、22年間でたった250日間しか運転しなかった高速増殖炉もんじゅ」は、昨年末にようやく廃炉が決定した。

 一方で六ヶ所村の再処理工場は22回目の運転延期で、2018年上期の運転開始予定だ。まったく動いていない再処理工場に当社はすでに約5千億円の再処理費用を支払った。東電や当社など、原子力事業者の経営状況が苦しい中、たとえ債務超過になっても再処理積立金を取り崩せないよう、国は昨年「使用済燃料再処理機構」を設置した。当社の存続より再処理をという選択は、株主として認められない。

 また日本原燃は、溢水対策が不十分であること、放射性物質を保安規定と違う場所に長期間放置していたことを規制委員会に指摘された。

 すでに日本は48tものプルトニウムを抱えており、世界から余剰プルトニウムと指摘されかねない。必要性、安全性、経済性、すべてにおいて問題を抱えている再処理からの撤退を提案する。

 

第6号議案 定款一部変更の件(4)

▼提案の内容

 当社の定款に以下の章を新設する

第○章 原子力発電所の老朽化、長期停止後再開リスク検証委員会

第○条 当社は原発の老朽化と長期停止後のリスクを検証するため、原子力発電所の老朽化及び長期停止後再開リスク検証委員会を設置する

 

▼提案の理由

 関西電力高浜原発1,2号機、美浜原発3号機の追加工事は2020年までかかる。その時には高浜1号機は運転開始から46年となる。現在46年以上稼働している原発は世界中で3基のみ。また、2020年の時点では9年も停止していた原発の再稼働になるが、これほど長期間停止した原発を再稼働することには未知のリスクがある。

 2020年時点で運転開始から44年となる美浜原発3号機も、高浜1,2号機も、設計は1960年代になされた。追加工事をしてもその旧式の設計は変えることはできない。また、原子炉内の金属は中性子を浴び続け劣化し脆くなっていく。

 福島原発が大事故を起こした時点の運転年数を超える原発を当社は再稼働する。過酷事故を引き起こせば、1500万人へ飲料水を供給する琵琶湖も汚染され、京都・大阪にも放射能が降り注ぐ恐れがある。老朽化のリスク、長期停止後再開のリスクを検証し、そのデータを株主に公開すべきである。

 
第7号議案 定款一部変更の件(5)
▼提案の内容  
 当社の定款に以下の章を新設する。
第 章 脱原子力 
第 条 当社は原子力発電を稼働しない。
▼提案の理由
 当社が、悪化する目先の経営状況を改善するために原発再稼働を進めることに強く反対する。先の見えない原発再稼働とその後の安定運転を当てにして、国民の安全を担保に博打を打っているように思えるからである。2016年からの一般家庭の電力自由化で、関電の販売電力は省エネと高コスト体質が原因で減少を続けている。一方、再生可能エネルギーの世界的な拡大と、それに伴う低コスト化が実現してきている。
 当社は40年を超える原発再稼働をコスト改善の切り札としているが、総括原価方式を前提に、原発に多額の投資を行い、利益を出すという方式は、もう通用しない。
 電力自由化の中で関電が行うべきことは、「原発を関電の経営から切り離す」ことを国に提案することだ。原発を切り離すことは、「利益は売り上げから経費を引いて得られる」という、資本主義の当たり前の会社に脱皮するための第一歩である。定款に「脱原子力」を明記すべきである。

 

要請書・高浜原発・審査対応社員労災に関して

高浜原発・審査対応社員が自死し労災認定された報道に触れ、下記のような要請書を提出しました。

                                                   2016年10月24日
関西電力株式会社 社長 岩根茂樹様
 
            毎月26日のランチタイムに関電前に集まる女たち
                 日本消費者連盟関西グループ
                   脱原発へ!関電株主行動の会
 
                                              
要  請  書
 
 昨今「ブラック企業」という新語が定着するほどに日本の労働現場の過酷な状況が問題になっています。KAROUSHIという日本語がそのまま世界で通用する言葉になりつつあるほどです。
 先日は大企業電通での長時間残業などによる若い女性の過労死が報道され、大きな反響をよびました。法で守られるべき労働者が基準をはるかに超える残業に疲弊しきって自らの命を絶ってしまったのです。
 労働者の権利を擁護するはずの厚生労働省が、原発の再稼働に向けた原子力規制委員会の審査に対応する電力会社の業務について、事実上労基法で決めた残業時間制限を緩和した通達を出していたということを新聞報道で知った私たちは、何故にそこまでして再稼働を急ぐ必要があるのかと月例の貴社への質問書に掲げたところでした。悲しいことに、回答をいただく前に痛ましい過労死の事実を知ることになりました。 
 問題の多い老朽原発の延命という貴社の方針がそもそもこのような過酷な状況を惹き起こしたのです。2度とこのような犠牲者を出さぬよう私たちは強く抗議するとともに下記について要請します。          
 
1)高浜原発12号機は今年77日までに審査手続きを終了できなければ廃炉が濃厚になるところでした。日程から逆算して無理を承知で職員に基準を超える残業を強いていたと考えられます。不誠実にもメディアからの問いにも応えず、社員かどうかも公表しないとの報道があります。
また、残業時間制限を受けないように役職にしたのではないかと疑われます。再稼働に向けての審査対応している他の職員についても人数、職種、職名、残業時間について速やかに公表するよう要請します。
 
 
2)美浜原発3号機の認可の期日が迫ってきています。スケジュール優先で作業が進められていると考えられます。会社の営利のために対応する職員の生命を危険にさらす厳しい労働環境に置くことは許されません。
厚生労働省の通達は「公益性」を理由としていますが、電気は足りており、国民も再稼働を望んでおらず、明らかに会社が営利目的で再稼働を急いでいるものと考えられます。
労働基準法を順守するよう要請します。
 
 
3)想定外の地震や火山の噴火などの自然災害の頻発、先日の東電のケーブル火災事故、志賀原発の浸水事故など、想定外の事故が相次ぎ、実際にクリアしなければならない要件は増加の一方であり、その都度基準が見直されたら、とても40年を超えるような原発は対応できないか巨額の費用を覚悟しなければなりません。早々に原子力発電から撤退するよう要請します。
                                                    以上