128名964個で共同提案しました
第12号議案 剰余金の処分案の件
▼提案の内容
1 会社側提案より配当を10円高くする。
2 原発を再稼動するための工事をいますぐ中止して、費用をカットできた分を配当に充当する。また日本原燃や日本原子力発電との契約を見直し、再処理をしていないのに支払っている再処理費用や、電気を買っていないのに支払っている他社の原発の電気代を配当の原資とする。
▼提案の理由
当社は今期過去最大の2500億円を超える赤字決算の見通しとなった。原因を当社は「原発停止による火力の燃料費の増加」としている。しかしこの分析は真実ではない。これほどの大事故が起きたのに、原発を再稼動するための不要な工事に、巨額の費用が使われている。
また、再処理についても、1本の使用済燃料も再処理できていないにもかかわらず、多額の再処理代を日本原燃に支払っている。日本原子力発電には、電気をほとんど買っていないのに、前期同様の電気料金を支払っている。日本原燃には約600億円、日本原電には約400億円、これだけの費用が無駄に支払われている。原発が全部止まっているのに、原子力発電の費用はほとんど変わらない。コスト負担が大きいのは原発である。赤字決算の原因は、当社が長い間、危険な原発に依存してきたからである。
また再処理のための積立金を取り崩し、子どもたちの避難や被曝の低減のために使うべきと考える。
第13号議案 取締役解任の件
▼提案の内容
以下の取締役を解任する。
取締役 八木 誠
▼提案の理由
4 経営環境の悪化を従業員・下請け労働者の労働強化でしのぎ、一方で不必要な役員を多数抱え、不当に高い報酬を支払っていること。
5 2000年3月に決定するとされていた『中間貯蔵施設』について、一昨年が完成予定の2010年であったが、いまだに何も明らかにされていないこと。
6 毎年の株主総会での指摘を無視し、多くの社員を地方議員として活動させ公益企業の信頼を大きく損なっていること。
第14号議案 定款一部変更の件( )
▼提案の内容
当社の定款に以下の章を新設する。
第4章 取締役及び取締役会
第31条の2 取締役は以下の件について情報を公開し、株主総会で承認を求める。
1 個別報酬額
2 財団法人、社団法人、独立行政法人での地位
▼提案の理由
原発の耐性審査(ストレステスト)の意見聴取会委員の数人が三菱重工など原発関連企業から献金を受け取っていた。三菱重工は原子力関連事業者で大飯3,4号機の炉心、原子炉、圧力容器、タービンなどを納入している。審査する側と審査される側が癒着しているとは言語道断である。このような利益相反は氷山の一角で、原発推進者たちは原発関連企業や法人に天下りや天上がりなどで結びつき、人と金とがぐるぐる回る「原子力ムラ」を作ってきた。当社の八木社長が理事に入っていた日本原子力文化振興財団は原発見学、報道や自治体対象に原子力講座などを行っている。原発推進のために多くの原子力関連団体は、莫大な資金を投入し原発が安全だと垂れ流し、危険性を隠避してきた。これらの団体に当社役員がどれだけ関わっているか全て明らかにし、原発に頼らない健全な会社を目指すべきだ。
第15号議案 定款一部変更の件( )
▼提案の内容
「第1章総則」第2条 第1号を以下のとおり変更する。
1 電気事業
ただし、原子力発電の運転を禁止する。
▼提案理由
昨年の株主総会で東電の勝俣会長は「異常に巨大な天災地変によって原子力損害が生じたときは免責」という原子力損害賠償法の条文から福島原発事故は「免責という可能性もある」と発言した。結局国は税金を注ぎ込んで、東電を破綻させずに賠償を進めていくことになった。原発が深刻な大事故を起こしても、だれも責任をとらないことが明らかになった。今も多くの人がふるさとに帰れない。子どもたちを守るために、家族が離ればなれになって暮らしている。一度汚染してしまった環境はいくら除染をしても、決して元にはもどらない。
その一方で当社は原発の再稼動を急いでいる。地震や津波への対策は万全だとしているが、「異常に巨大な天災地変」がきて想定外の原発の大事故が起きたとしても当社の取締役は責任を取れるのか。想定外のことが起きるから、大事故は引き起こされる。責任を取れない会社が、原発を運転することは絶対に許されない。
第16号議案 定款一部変更の件( )
▼提案の内容
当社の定款に以下の章を新設する。
第○章 電気料金の値上げと情報公開
第○条 原発の再稼動ができないことを理由に電気料金の値上げをしてはならない。消費者に対し、十分に情報公開し、説明をしたうえで消費者の納得を得られなければ電気代の値上げは行わない。
▼提案の理由
当社は、当年度業績見通しを2530億円の赤字と発表、原発停止により火力燃料費が倍増し、他社からの買電も増え、収益が悪化したからという。しかし関電は停止している原発にも莫大な費用がかかることを説明していない。
1 再処理は行き詰まり、08年度以降実績がないのに、毎年再処理費用約1400億円を積立て、毎年約600億円を日本原燃に支払っている。
4 核燃料税
以上は全原発停止でも発生する費用だ。昨年高浜町議会で原発再稼動を求める意見書が採択されたが、提案者は関電から5年間に133件、総額約7億円の工事を受注した業者の経営者だと報道された。原発は秘密が多く費用の全貌は不明だ。原発費用を公表すべきであり、原発停止を理由に電気料金値上げは許されない。
第17号議案 定款一部変更の件( )
▼提案の内容
当社の定款に以下の章を新設する。
第○章 再処理からの撤退
第○条 当社は再処理から撤退する。
▼提案の理由
複数の電力会社幹部から「再処理は大丈夫か」と懸念の声が上がっていた02年、東電と経産省が「撤退を検討すべき」と極秘で協議をもったが3ヶ月後東電のトラブル隠しが発覚し、再協議は実現しなかったと報道された。
また04年エネ庁課長が「直接処分は再処理の4分の1」というコスト試算の隠蔽を部下に指示したとも報道された。コスト試算隠蔽の直後、再処理等の費用として19兆円を国民が負担する制度ができ、六ヶ所再処理工場は06年3月末日アクティブ試験を開始した。トラブル続きでほとんど再処理はできていないが、05年度から11年度の7年間で当社は約3700億円を再処理代として日本原燃に支払っている。
今年1月、高レベル溶融炉で始まった準備作業も、炉内のレンガが剥離しすぐに中断、今年10月の完工予定は19回目の延期となるのは間違いない。
東電が破綻状態の今年こそ、当社取締役が再処理撤退の提案に賛同を表明することを求める。