4月21日 株主提案を提出しました。
共同提案者 115名 提案個数 915個<確定> です。
第1号議案 剰余金処分案
▼ 提案の内容
配当金を会社側提案より一株当たり5円増額する。(会社側が無配当を提案している場合は5円の配当を提案する)
▼ 提案の理由
当社は原発を再稼働すれば、利益が出て、電気代も値下げできるといって再稼働をすすめている。しかし3月9日、大津地裁で高浜3、4号の運転差し止め仮処分の決定が出た。2年続けて司法が原発を止めた。司法の判断を受けて、当社は原発の再稼働をあきらめ、廃炉をすすめるべきだ。老朽原発の運転延長より、今すぐに廃炉にしたほうが経費ははるかに安い。高浜1、2号の40年以上の運転延長のための工事には、2160億円かかるという。一方美浜1、2号の廃炉費用は、2基合計で682億円なので、3分の1以下だ。
また当社が、まったく動かなくても年間維持費を負担している北陸電力の志賀原発は敷地内に活断層があることが3月に再確認された。再稼働は認められない可能性が高い。日本原電の敦賀原発も同様だ。美浜3号、高浜1、2号を廃炉にして、工事費用を節約。敦賀、志賀原発を廃炉にしてもらい、浮いた費用の一部を配当に回すことを提案する。
第2号議案 取締役解任の件
▼ 提案の内容
以下の取締役を解任する。
取締役 八木 誠
▼ 提案の理由
2 4年に渡って株主総会で筆頭株主の大阪市を始めとする自治体や団体から「脱原発」への多くの株主提案がなされ、株主から多大な賛成を得ているにも拘わらず、まともな答弁もせず、全て無視して逆に「原発依存」を強化している。
3 原発依存体質が、赤字を招き、株価を低落させ、配当もなく、株主に多大な損害を与え続けている。
4 経営環境の悪化を電気料金の値上げと従業員・下請け労働者の労働強化でしのぎ、一方で不必要な役員・顧問を多数かかえ不当に高い報酬を支払っている。
5 不必要な『中間貯蔵施設』の建設を目指し、周辺自治体に不安と混乱をもたらしている。
6 毎年の株主総会での指摘を無視し、多くの社員を地方議員として活動させ公益企業の信頼を大きく損なっている。
第3号議案 定款一部変更の件(〇)
▼提案の内容
「第4章 取締役及び取締役会」に以下の条文を追加する。
(取締役の報酬開示)
第〇条 取締役の報酬に関する情報を全て個別に開示する。
▼ 提案の内容
MOX燃料を使用している。MOX燃料はウラン燃料より毒性が強く危険なうえ、ウラン燃料(1本約1億円)の9倍(1本約9億円)の価格であることが、朝日新聞の調査でわかった。高浜3号には24本、4号には4本のMOX燃料が入っているので224億円余分にかかっていることになる。しかも使用済みMOX燃料の処分が何も決まってないので、使用後は使用済み燃料プールに置かれるが、発熱温度が高く危険である。稼働させることは当社に損害をもたらす。
当社は原発停止で火力燃料が赤字を招いたとして3年間で二度の値上げを行ったが、そもそも電源構成の50%以上も原発に依存した経営陣の失態ではないのか。今後も原発依存を貫けば、老朽原発の修理費、MOX燃料費、事故保険等当社を経営窮地に追い込む。役員の責任を明らかにし、情報の公開性を高めることが必要だ。
第4号議案 定款一部変更の件
▼提案の内容
当社の定款に以下の章を新設する
第○章 プルトニウムの分離、使用の禁止
第○条 当社は使用済み核燃料を再処理せず、直接処分とする
▼提案の理由
核兵器と戦争の廃絶をめざす科学者らの国際組織「パグウォッシュ会議」に参加した科学者たちは、昨年11月、安倍首相に日本におけるプルトニウムの分離を無期限に停止するよう要請する書簡を送った。日本は約48トンものプルトニウムを保有しながら、青森県六ヶ所村の再処理工場でさらに使用済み核燃料からプルトニウムを取り出そうとしている。しかも日本は電力全面自由化のもと、電力会社の経営状態が悪化しても、再処理、そしてプルサーマルを続けられるよう「再処理等拠出金」制度を2月に閣議決定した。
もんじゅは数々の法令違反があり、運転主体さえ見つけられていない。再処理で取り出したプルトニウムは、高速増殖炉で燃やしてもっと増やすと国は説明してきたが、核燃料サイクルは完全に破綻した。膨大な投資をして再処理をする意味はまったくない。大義なき再処理は当社を、そして日本を破綻させる。危険で金のかかる再処理からの撤退を提案する。
第5号議案 定款一部変更の件、
▼提案の内容
当社の定款に以下の章を新設する
▼提案の理由
運転開始から40年で原則として廃炉とすることが、原子炉等規制法に明記されている。老朽原発は、中性子を浴び続け原子炉や炉内構造物が脆化する等の問題を抱えるためだ。これは東京電力福島第一原発事故の教訓から導き出されたルールだ。
新規制基準に適合するためなどに莫大なコストが必要だが、電力自由化の環境の中、安全対策費にはコストカットの圧力がかかっている。一方、自然エネルギー技術は進歩している。コストは低下し、発電効率は 上がっている。
老朽原発の維持より、自然エネルギーや省エネに投資すれば、リターンはより高く、リスクはより低いと考える。老朽原発の安全性にかかる技術的データや経済性に関わるデータを公開し、安全性と経済性を検証する委員会をつくるべきだ。
第6号議案 定款一部変更の件
▼ 提案の内容
当社の定款に以下の章を新設する
第○章 原子力発電所避難計画検証委員会
▼提案の理由
当社は財務状況の悪化を逃れるため、老朽原発の再稼動頼みの道を進んできた。再稼動の条件でもあった地元の合意と災害時の避難計画策定がきわめて不十分なまま見切り発車してしまったが、注目を集める中、早くもトラブル続きである。初歩的なミスでさえ大事故につながりかねないのが老朽原発の危険性である。放射能は県境など関係なく風向きにより拡散する。影響下の全自治体の合意が必要であり、福島事故の反省の上での綿密な、実効性のある避難計画が必要だ。貴重な水源琵琶湖を抱える関西に於いてはなおさらである。具体的に避難手段、避難先との連絡、避難経路、除染、避難弱者の問題、広報など訓練を何度も繰り返し、問題点をクリアしてこその避難計画である。避難計画に責任のある自治体は当社に脱原発提案をしたり、当社や国に様々な要望を出しているが実現していない。大津地裁の仮処分決定でも厳しく批判されている。原発を止めるしかない。
第7号議案 定款一部変更の件
▼提案の内容 当社の定款に以下の章を新設する。
第 章 脱原子力発電
第 条 当社は原子力発電による発電をしない。
▼提案の理由
株主として一言申し上げたい、「怒れ関電!」と。政府は電気料金を引き下げるために、制度設計も不十分な状態で電力の完全自由化に踏み出した。トータルの発電コストが下がるわけもなく、誰が安定供給の責任を持ってくれるのかも不明な制度だ。こうなったからには、電力会社は一般企業として経営を安定させるための提案を行うべきである。
まず主張すべきなのは、いつ再稼働するかも分からず、経営の足かせにしかならない国策の原子力発電を電力会社の経営から外してもらうことである。強制された国策の遂行のために、経営者が被告人扱いされる可能性があるような技術は受け入れることができないはずだ。原発を抱える限り、緊急停止や仮処分決定による稼働禁止などの経営危機がいつやってくるか分からない。また高浜1、2号機のような老朽原発に頼った経営は株主にとって許しがたい行為だ。原発の再稼働に頼らない経営方針を株主に示すことを提案する。