要請書・高浜原発・審査対応社員労災に関して

高浜原発・審査対応社員が自死し労災認定された報道に触れ、下記のような要請書を提出しました。

                                                   2016年10月24日
関西電力株式会社 社長 岩根茂樹様
 
            毎月26日のランチタイムに関電前に集まる女たち
                 日本消費者連盟関西グループ
                   脱原発へ!関電株主行動の会
 
                                              
要  請  書
 
 昨今「ブラック企業」という新語が定着するほどに日本の労働現場の過酷な状況が問題になっています。KAROUSHIという日本語がそのまま世界で通用する言葉になりつつあるほどです。
 先日は大企業電通での長時間残業などによる若い女性の過労死が報道され、大きな反響をよびました。法で守られるべき労働者が基準をはるかに超える残業に疲弊しきって自らの命を絶ってしまったのです。
 労働者の権利を擁護するはずの厚生労働省が、原発の再稼働に向けた原子力規制委員会の審査に対応する電力会社の業務について、事実上労基法で決めた残業時間制限を緩和した通達を出していたということを新聞報道で知った私たちは、何故にそこまでして再稼働を急ぐ必要があるのかと月例の貴社への質問書に掲げたところでした。悲しいことに、回答をいただく前に痛ましい過労死の事実を知ることになりました。 
 問題の多い老朽原発の延命という貴社の方針がそもそもこのような過酷な状況を惹き起こしたのです。2度とこのような犠牲者を出さぬよう私たちは強く抗議するとともに下記について要請します。          
 
1)高浜原発12号機は今年77日までに審査手続きを終了できなければ廃炉が濃厚になるところでした。日程から逆算して無理を承知で職員に基準を超える残業を強いていたと考えられます。不誠実にもメディアからの問いにも応えず、社員かどうかも公表しないとの報道があります。
また、残業時間制限を受けないように役職にしたのではないかと疑われます。再稼働に向けての審査対応している他の職員についても人数、職種、職名、残業時間について速やかに公表するよう要請します。
 
 
2)美浜原発3号機の認可の期日が迫ってきています。スケジュール優先で作業が進められていると考えられます。会社の営利のために対応する職員の生命を危険にさらす厳しい労働環境に置くことは許されません。
厚生労働省の通達は「公益性」を理由としていますが、電気は足りており、国民も再稼働を望んでおらず、明らかに会社が営利目的で再稼働を急いでいるものと考えられます。
労働基準法を順守するよう要請します。
 
 
3)想定外の地震や火山の噴火などの自然災害の頻発、先日の東電のケーブル火災事故、志賀原発の浸水事故など、想定外の事故が相次ぎ、実際にクリアしなければならない要件は増加の一方であり、その都度基準が見直されたら、とても40年を超えるような原発は対応できないか巨額の費用を覚悟しなければなりません。早々に原子力発電から撤退するよう要請します。
                                                    以上