2016年1月26日
毎月26日のランチタイムに関電前に集まる女たち
日本消費者連盟関西グループ
脱原発へ!関電株主行動の会
2016年1月26日
毎月26日のランチタイムに関電前に集まる女たち
日本消費者連盟関西グループ
脱原発へ!関電株主行動の会
1 顧問について
1)顧問を7人から3人に減らし、当面報酬を見合わせるとの発表があったが、顧問専用の秘書、部屋、車はどうなったのか。そのまま使用しているのか。「当面」とはいつまでを考えているのか?
2)顧問という肩書きを残しているからには、報酬はなくても待遇は変わっていないと考えていいのか。
3)今の関電の危機的経営状況を考慮して、顧問を辞任しようとしないOBには経営の能力はないと思うがどうか。
1)北陸電力志賀原発2号について、1996年3月にこの原発を北陸電力と中部電力と当社の3社で共同開発する契約を結んだとのことだが、このような契約を結んだ理由はなにか。株主に納得のいく説明を求める。
3)運転開始前の契約では、最大60万kWを当社、中部電力で5:4の比率で受電するという契約だった。しかし過去に「当初の5年間は90万kWを中電と関電に供給する」と北陸電力は回答していた。融通はいつまでが90万kWで、いつから60万kWになったのか。供給量が変更された理由はなにか。
2)1996年の段階で3社共同開発の原発であることを発表しなかったのはなぜか。
志賀原発について共同開発ということは、建設費を負担したのか。負担したとするなら、いくら負担したのか。あるいは前払い費用として事前に支払ったお金があったのか。前払い費用だとしたら最大いくら前払いしたか。
3)2007年、本店広報に志賀原発の電気の購入契約について質問したが、契約については回答できないとの素っ気ない返事をもらった。契約の細かい数字などはともかく、志賀原発は3社の共同開発であり、生涯にわたって電力供給をうけ、トラブルなどで停止していても年間の維持管理費を支払うことになっていることは回答するべきだったのではないのか。ずっと消費者や株主にこの事実を明らかにしてこなかったのは許されないことだと思うがどうか。
4)志賀原発も敦賀原発も直下に活断層を指摘されているが、このことに関する当社の見解はどうか。敦賀原発も志賀原発もどちらも活断層問題を抱えて、再稼働を見込めていない。敦賀1号が廃炉を決定して、84億円購入電力料が減少するとのことだが、他の原発もすべて廃炉にするべきだ。当社との共同開発であるならなおさら、廃炉の決定を速やかに提案するべきだと思うがどうか。
3 日本原電について
1)北陸電力に対してと同じように日本原電に受電なき対価を支払っている。昨年の株主総会でも指摘したが契約の見なおしをしないのは会社と株主、そして消費者に対する重大な損害を与えている行為である。直ちに契約を見直すべきである。
2)日本原電は敦賀原子力発電所、東海原子力発電所に運転再開の展望がない。いかなる将来像を考えているのか。出資した9電力で話し合いはおこなわれているのか。それを示さなければ日本原電を解散することが妥当だと考えるがどうか。
3 突然増えたプルトニウムについて
1)関電所有の海外再処理のプルトニウム量が突然増えたのはなぜか、何年何月の段階で何t増えたのか。
2)6月8日の朝日新聞の記事によると今後も増えるということだが、いつ、何t増えるのか。
3)5月のランチタイムの女たちの質問への回答では、再処理実績について2013年度イギリスの再処理工場の処分が1tと回答している。イギリスの再処理工場ではもう日本の使用済核燃料処理は終わっているはず。いまさら再処理がすすんだとはどういうことなのか、再処理費用を新たに支払ったのか。支払ったとしたらいくらか。
今後増えるといわれている分についても、追加の再処理費用を支払うのか。
4)前出の朝日の記事によれば、イギリスからプルトニウムをイギリスで処理しましょうかというオファーが日本にきているというが本当か。記事によれば=日本が英国に渡すとすれば「処分代」をつけて渡すということだ。そのときプルトニウムは「価値のある燃料資源」ではなく、はっきりと「処分費がかかるごみ」になる=とある。日本の核燃料サイクル政策との整合性をとるためにこのオファーに応じるのを躊躇しているというのは本当か。
4 高浜原子力発電所1、2号機(福井県)と美浜原発3号機について
1)運転開始から40年を超えて原発を運転しようとしているが、高浜1,2号、美浜3号機に改修工事など投下する金額はいくらか、プラントごとに金額を説明せよ。そして、投下する資金は高浜1,2号、美浜3号では何年で回収する見込みなのか。計算した年数を示せ。
2)3基の老朽原発の運転が許可されない場合、投下した資金が回収されなくなる。重大な経営責任となると思うがどうか?
5 美浜原発3号機の新規制基準の審査について
1)運転開始40年の延長の審査の期限に間に合わせようと、田中規制委員長自らが議題にもないのに、活断層の審議を打ち切って審査に入るよう促した。その結果、有識者会議の報告書も出ていないのに、他の専門家へのピアレヴューもないまま、新規制基準の審議に入ってしまった。当社はどんな圧力を規制委員会にかけているのか。
2)その一方で、当社は地震の深さについて、美浜だけを4kmより深いとして、大飯、高浜で用いた3kmという深さでの計算を拒否していると報道された。なぜか。
6月5日の審査会では、規制庁の職員が美浜3号の今後の審議の遅れを心配し「早くしないと時間が間に合わない」と発言した。一方で当社の社員は「美浜は地下構造が違う」と4kmでの再計算を頑に拒否した。まったく立場が反対になっているようで、見ている私たちはただ驚くしかない。40年という老朽原発だからこそ、より長い時間をかけてじっくり審議をするべきであり、締め切りが決まっているかのような審査の進め方はまったくおかしい。このような審議で「国から安全というお墨付きをもらった」と胸を張られても住民は納得できない。当社の取締役はどう考えているか。
6 中間貯蔵施設について
1)「関電の場合、210自治体に延べ1900回も訪問説明をしているが、なかなか理解を得られない」と新聞報道がある。進捗状況を説明せよ。
2)「個社対応が原則だが、共通の問題を持つ会社との連携は必要だ」と発言した意味は関電エリア以外を考えていると捉えていいのか。
3)長期休止中の宮津エネルギー研究所の火力発電所について将来どうするつもりなのか?
7 料金値上げ・自由化に対する対応について
1)収支改善のために資産の売却は不可欠であると考えるが八木社長は否定的だ。そして、自社努力をせず消費者に値上げを強いた。消費者、株主として納得できない。今まで発電所建設のために買収してきた各地に散在する未利用地を売却すべきだと考えるがどうか。
2)福島原発事故以降、原発に対する国民の感情は否定的なものになっている。電力自由化に対して、原発を運転している関西電力から離脱する消費者が予想されるが、経営者として危機感はないのか。また、顧客引き留め・獲得についてどのような対策を考えているか具体的に答えよ。
3)高浜原発3・4号の基準値振動を計算上ではあげているが、実際の耐震対策について余裕があるとして対策を講じていない。こういう姿勢こそ消費者マインドとはかけ離れたものである。また、運転40年を超える原発を動かそうとしてることも同じく消費者マインドとは離れたものだ。「お客様に理解をしてもらう」という「上から目線」ではますます消費者離脱が起こると思うがどうか。
4)2014年度電力総販売量は1344億9000kWhであった。2010年度と比べると11%減少したことになる。小規模や大口需要家にはすでに電力自由化が始まっており、髙い当社の電力から安い新電力へ切り替えている企業が多いということだ。当社は販売量減少を冷夏や節電が徹底したと分析するが、そんな悠長なことで経営者がつとまるのか。2015年度も顧客流出が予想される。対策を示されよ。
原発事故避難について
1) UPZ圏内にある当社社宅に、避難指示が出されたとき、社員家族用にバスは用意されているか。
2) UPZ圏内の住民避難用に当社はバスを用意しているか。もし用意しているなら、それは何台か。通常どこに待機しているのか、あるいは日常何に使用しているものを回すのか。
高浜3,4号機 仮処分裁判について
1)4月14日 福井地裁で高浜3.4号機仮処分の決定がなされた。決定は原発を稼働するにはあまりにも不備な設備対策であることを指摘した当然のものだ。当社が最高水準の安全を目指すというのなら、仮処分決定が指摘したことをクリアーするまで再稼働するべきではないと思うが、どうか。
以上
2015年株主総会に向けて、株主提案議案(案)
今年もご協力をよろしくお願いします。
第1号議案 取締役解任の件
▼ 提案の内容
以下の取締役を解任する。
取締役 八木 誠
▼ 提案の理由
1 福島原発事故が今なお継続し、被害が拡大する中で、高浜3・4号を筆頭に9基の原発を再稼動させ、日本そして世界をもっと汚染しようとすることは狂気の沙汰としか思われない。
2 3年に渡って株主総会で筆頭株主の大阪市を始めとする自治体や団体から「脱原発」への株主提案が多くなされ、たくさんの支持を得たが、まともな答弁もせず、全て無視して逆に「原発依存」を強化していること。
3 原発依存体質が、株価の暴落を招き、配当もなく、株主に多大な損害を与えていること。
4 経営環境の悪化を電気料金の値上げと従業員・下請け労働者の労働強化でしのぎ、一方で不必要な役員・顧問を多数かかえ不当に高い報酬を支払っていること。
5 2000年に決定、2010年完成予定だった『中間貯蔵施設』について、何の説明もないこと。
6 毎年の株主総会での指摘を無視し、多くの社員を地方議員として活動させ公益企業の信頼を大きく損なっていること。
第2号議案 定款一部変更の件
▼ 提案の内容
「第4章 取締役及び取締役会」に以下の条文を追加する。
(取締役の報酬の個別開示)
第◯条の◯ 取締役の報酬は個別に開示する。
▼ 提案の理由
2012年度の値上げに際し、経済産業省総合資源エネルギー調査会電気料金審査専門小委員会の査定で、役員報酬は2013~15年度を通じて平均1800万円までしか原価算入を認めないとした。しかし、当社取締役の平均報酬は2014年12月まで2100万円で、再値上げに際しやっと1800万円に下げたが、個別の報酬金額は明らかにされていない。「経営全般のコスト削減」の実態は、社員の年収削減などにとどまり、後は全て消費者へ負担させている。12年度決算は、売上2兆5207億円、純損失3881億円。13年度決算は、売上2兆9582億円、純損失1197億円だった。値上げ分を考えると13年度決算は赤字を解消していなければならなかった。14年度決算も赤字であり、4期連続赤字の経営責任を問われて当然である。業績と取締役報酬は見合っているのか、報酬決定のプロセスは正しいのか、株主、消費者に開示することが必要である。
第3号議案 定款一部変更の件
▼ 提案の内容
第5章 監査役及び監査役会 第32条を以下のとおり変更する。
第32条 本会社の監査役を3名とし、すべて社外監査役とする。
▼ 提案の理由
「現行の電気料金水準のままでは、平成27年度は5期連続の赤字。(中略)約5千億円にのぼる繰延税金資産の取崩しを余儀なくされかねず、平成27年度末において債務超過に陥る可能性も否定できません」。
当社は2月、値上げ申請の際に消費者団体にこう説明した。関電の繰延税金資産は、平成21年度末には2841億円だった。毎年赤字を計上する中で、25年度末では約5千億円まで増えた。赤字決算が続くのであれば、本来取り崩すべき繰延税金資産を、どういう根拠でここまで増やしたのか。監査法人はなぜ取り崩しを提案しなかったのか。監査役はなぜここまで増やすことを認めたのか。当社の監査機能はまったく働かず、取締役会の方針をチェックできていない。当社は株主に対し、多額の繰延税金資産を抱えた経緯を説明する責任がある。
また動いてない他社の原発、再処理工場に費用を支払い続けることも監査役が止めさせるべきだ。
第4号議案 定款一部変更の件
▼提案の内容
当社の定款に以下の章を新設する
第○章 直殺処分(再処理禁止)
第○条 当社は使用済み核燃料を再処理せず、直接処分とする
▼提案の理由
1993年に着工した六ヶ所村の再処理工場は、当初1997年完工予定だったが、昨年21回目の延期で、2016年に完工予定となった。敷地内活断層の現地調査など新規制基準の審査が行われているが、審査に合格する見込みはたっていない。80kmに及ぶ海底活断層による地震や八甲田山の噴火の影響も心配だ。このまったく動かない再処理工場に、当社は毎年500億円を超える再処理費用を支払い続け、2014年度までの10年間で総額5296億円にもなった。
高レベル放射性廃棄物について、国は最終処分場の見込みがたたない状況から「(再処理をしないで)直接処分の調査研究を国が推進する」ことを閣議決定した。
当社は「再処理は国策だ」と高コストで危険な再処理を推進してきた。しかし赤字決算が続いて、積立金は底をつき、2度目の値上げを行うところまで追いつめられて、当社に余裕はまったくない。今すぐ再処理を放棄することを提案する。
第5号議案 定款一部変更の件
▼提案の内容
当社の定款に以下の章を新設する。
第○章 顧問制度の廃止
第○条 顧問制度は廃止する。
▼提案の理由
現在、当社の顧問は7名計4000万円の報酬がある。2年前には14名計1億4000万円であった。これらの数字は当社電気料金値上げ申請時に明らかにされたものである。
株主総会で毎年顧問の氏名、個別の報酬額を質問してきたが、回答はいつも「若干名、相応の金額をお支払いしている」である。株主には公表しないが、現在、秘書3名、専用執務室4室、専用社用車4台を使用していると、2月2日電気料金審査専門小委員会で明らかにした。これが顧問への相応の対応か疑問である。元会長や社長が顧問職に付くと言われているが、過去の役員が後ろに控えていては、現役の役員が自由な経営方針の転換、たとえば「脱原発」の経営方針に転換していくことを阻害しかねない。退任役員の覇権を防ぐためにも株主の前で氏名も報酬も仕事内容も公表できないような顧問制度は廃止すべきである。
第6号議案 定款一部変更の件
▼提案の内容 当社の定款に以下の章を新設する。
第○章 脱原子力
第○条 当社は原子力発電を稼働しない。
▼提案の理由
平成26年度の東電と当社の決算内容を比べて驚くのは、福島原発事故を起こした東電が黒字で、当社が赤字だということだ。なぜこんな結果になったかというと、東電が危機感を覚えて、徹底したコスト削減を行ったのに対して、当社は営業費用が大幅に増えたからだ。当社は原発が再稼働しないことを経営悪化の理由にして、普通の企業が危機に対して行うコスト削減をほとんど行っていないという驚くべき実態の結果が表れている。2016年に電力完全自由化を控え、電力業界は戦国時代を迎えようとしている。各電力会社は地域独占を越えた事業展開を工夫しているようだが、当社の取り組みが遅れを取っているのがとても気になる。原発を再稼働さえすれば黒字になると言い訳して、徹底したコスト削減をしない。こんな無策で無能な経営陣では、将来の経営に不安を覚える。まずは原発の再稼働を諦め、普通の会社として、当たり前のコスト削減に尽力することを提案する。
第1号議案 剰余金処分の件
▼提案の内容
剰余金処分案の積立金の取り崩し額を会社側提案よりも10億円減少する。
▼提案の理由
現役官僚が匿名で書いた『原発ホワイトアウト』によれば、電力会社は子会社に対し通常より20%増しの費用を支払い、子会社は1/4の5%分をプールして政治献金などに回しているそうだ。
平成24年、当社持分法適用関連会社の「きんでん」は自民党の政治団体である「国民政治協会」に900万円寄付をしている。23年は1000万円、22年は1300万円寄付していた。
一方、当社の社員200人近くが送電線工事の談合にかかわっていたことが明らかになり、今年1月、公正取引委員会は「談合を助長、誘発した」として、談合防止策を講じるよう当社に申し入れた。
当社は総括原価方式で電気代を決めている。いくらコストが高くなっても電気代をあげればいい。そして「原発が動かないと電気代が高くなる」と消費者を脅す一方で、多額の政治献金をバックに政権に圧力をかけ、危険な原発を一日も早く再稼動させようとしている。こんなことは絶対に許されない。
第2号議案 取締役解任の件
▼提案の内容
以下の取締役を解任する。
取締役 八木 誠
▼提案の理由
1 福島原発の大事故が、今なお継続し更なる被害を拡大する中、脆弱で危険な地盤の上、軍事的脅威にも晒される若狭湾の原発群を再稼動させようとしていること。
2 一昨年、昨年と2年に渡って株主総会で筆頭株主の大阪市を始めとする自治体や団体から「脱原発」への多くの議案書が提案されたが、鋭い批判にまともな反論もできないまま、全て無視して「原発依存」を改める姿勢が全くないこと。
3 原発依存体質が株価の低迷を招き、配当もなく、株主に多大な損害を与えていること。
4 経営環境の悪化を従業員・下請け労働者の労働強化でしのぎ、一方で不必要な役員を多数かかえ不当に高い報酬を受け取っていること。
5 2000年3月に決定し、2010年完成予定の『中間貯蔵施設』について、何も明らかにされていないこと。
6 毎年の株主総会での指摘を無視し、多くの社員を地方議員として活動させ公益企業の信頼を大きく損なっていること。
第3号議案 定款一部変更の件(1)
▼提案の内容
「第1章 総則」第2条第1号に以下の項目を付記する。
1 電気事業
当事業のうち、原子力発電事業は除く。
▼提案の理由
2013年9月15日から国内の全原発が停止している。それが1日でも長く続くよう市民は願っている。電気は足りている。節電努力も定着し、拡大しつつある。当面の安定供給のために火力発電に頼らざるを得ないが、燃費の増大を憂えるのなら、この期に、より効率のよい発電に切り替え、新エネルギーの伸張に資するべきである。
安全審査を急がせ、再稼動を目論んでいるが、たとえ規制基準をクリアしても、それは安全の担保とはなり得ない。規制委員会そのものに信頼性が無いからである。規制基準を作った委員や規制委員の中には、いわゆる「原子力ムラ」からの献金を受けた人々がいる。政権の意向を受け、客観性を疑われる判断が下される可能性は大きい。
再稼動の条件として、自治体の原子力防災計画の整備が必要であるが、避難計画の現実性の乏しさ等、困難をきわめている。テロ対策についても現実味がない。現況は福島原発事故を教訓としているとは言い難い。
第4号議案 定款一部変更の件(2)
▼提案の内容
「第4章 取締役及び取締役会」に以下の条文を追加する。
(取締役の報酬個別開示と執務状況の公開)
第○条の○ 取締役の報酬は個別に開示し、その執務については個別に公開する。
▼提案の理由
当社の原発で事故が起こった場合の住民避難は、計画を詰めれば詰めるほど困難であることがわかってくる。地震、津波、大雪、倒木、台風、避難を困難にする複合要因はいくらでもある。また避難道が一本しかない地域もある。車いすの人、寝たきりの人、認知症の人、在宅医療患者、妊婦等配慮を要する人たちが、安全に避難先まで移動し、受け入れ体制の整った避難所に入所できる計画はまだない。避難者を受け入れる市町村は避難者数を単純に公共施設に割り振りしただけである。また自治体の備蓄する水は数日間分なので、琵琶湖が放射能汚染されれば対応できない。原発事故における環境や人への影響を考慮せず、原発さえ動けば経営が良くなるとの経営方針は間違っている。再稼動しか頭にない役員の要否を判断するために、報酬の個別開示と各役員の執務の透明化が必要である。
第5号議案 定款一部変更の件(3)
▼提案の内容
当社の定款に以下の章を新設する。
第 章 再処理禁止
第 条 当社は危険でコストのかさむ再処理を行わない。
▼提案の理由
元東芝の格納容器設計者後藤政志氏は、六ヶ所再処理施設は「戦闘機と大型旅客機の衝突を想定して算出した結果、建屋が破壊する可能性がある」と裁判の鑑定意見書で述べた。
原子力委員長代理鈴木達治郎氏は「20年から30年のスパンで考えると、直接処分の方が3兆円から4兆円安くなる」と発言した。
福島事故後、国も再処理の中止を模索した。しかし六ヶ所村議会で「再処理を止めるなら、使用済核燃料も高レベル放射性廃棄物もすべて六ヶ所から運び出せ」という決議が出され、議論は進まなくなった。使用済核燃料の行き場がないという理由で再処理を続けるのは間違いだ。
六ヶ所再処理工場は当初1997年完工予定だったが、いまだに操業は始まらない。建設費用も予定の約3倍の2兆2000億円にまで膨んだ。まったく再処理しなくても当社は多額の再処理料金を、毎年、日本原燃に支払い続けている。
経営悪化の主原因である再処理から即刻撤退すべきだ。
第6号議案 定款一部変更の件(4)
▼提案の内容 当社の定款に以下の章を新設する。
第 章 脱原子力委員会
第 条 当社は脱原子力の政策を提言する脱原子力委員会を設置する。
▼提案の理由
福島の原発事故以降、戦後の経済成長を底辺で支えてきた電力会社のイメージは地に落ちている。政府は発送電分離、電力自由化に向かっており、もう政府は電力会社を守ってくれない。このような状況は、株主として誠に残念である。だが電力会社にとっては、普通の会社として独り立ちする良いチャンスである。原発の再稼働に頼って不安定な経営を続ける電力会社に対して、株主として以下2点を提案する。
1 今こそ1992年のドイツの電力会社を見習い、原発撤退政策を提案すべきである。
2 欧米において、導入によりさまざまな問題が多発している発送電分離、電力自由化に対して具体的な提案の意思を示すべきである。
*注:ドイツの2大電力会社フェーバとRWEの社長が、原発撤退政策を当時のコール首相に提出したのは、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故から6年後の1992年10月のことであった。
第7号議案 定款一部変更の件(5)
▼提案の内容 当社の定款に以下の章を新設する。
第 章 経営の透明性の確保と日本原子力発電(株)との資本関係の解消