2013年株主総会・議決の結果

関西電力株主総会の報告

626日、株主総会当日は朝から雨が降っていました。ときおり激しく降る雨の中、横断幕を持ち続けました。会場は神戸・ポートアイランドワールド記念ホール。関電の株主総会が大阪を離れたのは初めてです。会場受付は2階にあり、傘を閉じて階段を上り、受付を済ませると、また傘をさして階段を下り、1階の会場に入っていく、このような人の流れになっていました。高齢の方たちや障がいのある方にとって配慮のない会場設営でした。今年は会場が広いのに昨年より人が少なく、空席がとても目立ちました。(今年1269人、昨年は3842人)。始まるとすぐ壇上から役員が頭を下げる。でも私たちよりずっと高いところにいます。

 今回の株主総会自治体からは、兵庫県知事、神戸市長、京都市長関西電力に質問と意見を述べました。株主提案は大阪市京都市2市です。「脱原発」の主張に強弱はあっても、原発依存を少なくしよう、ということでは共通しています。特に京都市の門川市長は脱原発依存を明確にするように求めていました。京都市は議会決議もしています。このような自治体の意見表明は、徐々に関電に影響を与えると思います。

         赤字なのに高い燃料を購入

株主の質問に対する回答の中で、2年続けて無視したのは電事連への分担金のことです。電事連から青森県やその他の機関、自民党にも多額の政治献金をしています。秘密のお金でもって暗躍するため、会計を公開したくないのです。

原発60年まで運転する」「再処理工場は順調」とか「原発が電気料金値下げに貢献した」というように答弁しています。また、「MOX燃料は高いが、ウラン燃料との差は僅かだ」と答えました。貿易統計資料で調べると1体あたり78,633万円の差があります。(2010年のMOX燃料と2012年のウラン燃料の比較)今回運ばれたのは20体なので157億円の差になります。これを関電はわずかな費用であるというのです。いくら高くても電気料金として徴収できます。このような経営者だから1㍗も発電しない日本原電に約300億円、北電・志賀原発に約200億円を支払っても平気なのです。

         株主議案に賛成が最高20 

 会社側提案含めて31議案。今年、大阪市長は出席していません。大阪市京都市との共同提案を含め、川合弁護士が11議案を全て説明しました。京都市1議案を趣旨説明しました。この中で、大阪市は「再稼働を決定した経過について取締役会議事録の開示請求」をしたと説明しました。そして、裁判所が開示するよう判決を下したのに、関電は拒否し、即時抗告をしています。どこまでも情報開示に消極的な関電です。

私たち脱原発株主7議案には最高20.1%の賛成票が集まりました。(役員の報酬・賞与の個別開示ただし、取締役解任の議案は3.4%、その他は17%前後)大阪市京都市そして株主共同提案を含めて、賛成が40%を超えているのは「社外取締役の免責」という提案です。社外取締役に忌憚なく意見を言ってもらおうという考えですが、支持が集まった理由は、免責してもらわないと怖くて社外取締役にはなれない、そのような表れでしょうか。次に関心の高いのは「経営の透明性の確保(大阪市提案)」33.1%です。京都市提案の「脱原発と安全性の確保」には21.6%の賛成が投じられています。株主提案の議案にこれだけ賛意が寄せられていることは大変なことです。

 自治体に株主総会で「脱原発依存」の意見表明してもらうことは、大切だと思います。来年、大阪の橋下市長はひょう変するか、原発に関心がなくなるか、これも要注意です。

 総会は午後248分に終了しました。所要時間4時間48分でした。そして、翌朝、高浜3号のMOX燃料が到着しました。

株主総会以降、判明した貿易統計資料からのMOX燃料の価格。2013年高浜20体。全重量13,235㎏ 金額1851,396万円。1体あたり661.75㎏・92,570万円と判明。ちなみにウラン燃料は9,800万円前後で推移している)